先生、好きです。


生徒指導室に入ったあたしは、ドアを閉めてからさっきから疑問になっていることを先生に聞いた。



「アキ先生は、良ちゃんと知り合いですか?

さっき、夏戸君って…」


「あぁ…」


先生は良ちゃんの方をちらっと見てから、笑顔で


「違うよ。

あらかじめ、教え子の顔と名前は覚えておくんだ。」


と言った。


へぇ…もう覚えちゃったんだ…!

すごい!!


「…で、柚芽は僕になにか用かな?」

「あっ…

名前、覚えててくれたんですね!」

「当たり前でしょ。

今日のことなのに。」


そう言って、アキ先生はニコッと笑った。


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