それが私の彼氏
「……なにそれ」
とたんに私の視界が一気に暗くなった。
「え?」
私、来輝先輩に抱きしめられてる…?
「あの、ちょっと、来輝先輩?」
「なにその顔。可愛すぎ。反則だろ」
反則って。可愛すぎって。来輝先輩はいったいなにを…?
「それってどーゆー…」
「どーゆーって決まってんじゃん!」
「えっと…」
「麻鈴ちゃんは鈍感だね」
「鈍…感…」

「麻鈴ちゃんのこと好きってことだよ!」

今、私のこと好きって…言った…よね?
両思いってこと…だよね?

「麻鈴ちゃんは?俺のこと好き?」
先輩がまた私の顔を覗き込んできた。

なにその顔…。かっこいいよ。
キリッとした目。筋の通った鼻。そして、意地悪そうに笑う口。
もう心臓爆発しそうだよ…...
「先輩も!反則です。かっこよすぎます!」
「それってどーゆーこと?」
また意地悪そうに笑う。わかってるくせに。
「す、好きってことです!」

好きな人に面と向かって好きって言うのってこんなに恥ずかしいんだ。
でも、イヤな恥ずかしさじゃない。
嬉しいって気持ちと恥ずかしいって気持ちが両方ある感じだ。
< 6 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop