ドク少女


男の腕にくっついていた女はどこかへ行ってしまった。



「それでおじょーさん、君はこんな所で何してたのー?」

『……』

「まさか、援交…なんてことはないよねぇ〜」

『…ヤるんでしょ、早くして』

「いんやー、俺君とヤるつもりないよ~」


チッ、なんだよ…


『手間掛けさせないで、あたし急いでるんだから』

「あららそうなのー?それはすみませんでしたぁー」

『………じゃ』



男に背を向けた。が…



「ちょい待ちー、君まさか本当に援交なんかしようとしてるのー?」

『…あんたには関係ないでしょ』

「まぁそうなんだけどねー」

『だったらもう要は無いはず、彼女との時間邪魔してごめんなさい。……じゃあね』

「君はいい子なんだね~」

『……』


あたしはそのまま人混みの中へと入って男の前から姿を消した。
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