四百年の恋
「真姫、席取っておいたよー」
仲良しの麻美(あさみ)が、教室に入ってきた真姫に向かって、手を振った。
「こっちこっち」
「お、サンキュ」
真姫の座ろうとした席を、圭介が横入りで奪い取った。
「ちょっと! よけてよ吉野くん!」
「早い者勝ちだろ?」
「うるさい! 移動しなさい!」
真姫は強引に、圭介を追い出した。
仕方なく彼は、最後列に移動した。
「そっちのほうが、居眠りできていいでしょ」
「バカ言え。後ろで居眠りすると、逆に目立つんだ。ていうかこの講義、ゼミの担当教官の授業だから、真面目に聞いてないとやばいんだ」
「ふーん」
「お前らもしかして、俺っていつも寝てるって思ってない?」
「別にー」
……これから始まる講義は、「地域史」。
前期は明治維新前後の函館について学び、後期は戦国~江戸期の松前、福山氏の歴史について学ぶ。
この講義を無事に完了し、他の必要な単位を取得した者は。
来年の春に行なわれる、「博物館実習」に参加できる。
必要単位の取得およびその実習を無事終了した者は、「学芸員」の資格を得られる。
仲良しの麻美(あさみ)が、教室に入ってきた真姫に向かって、手を振った。
「こっちこっち」
「お、サンキュ」
真姫の座ろうとした席を、圭介が横入りで奪い取った。
「ちょっと! よけてよ吉野くん!」
「早い者勝ちだろ?」
「うるさい! 移動しなさい!」
真姫は強引に、圭介を追い出した。
仕方なく彼は、最後列に移動した。
「そっちのほうが、居眠りできていいでしょ」
「バカ言え。後ろで居眠りすると、逆に目立つんだ。ていうかこの講義、ゼミの担当教官の授業だから、真面目に聞いてないとやばいんだ」
「ふーん」
「お前らもしかして、俺っていつも寝てるって思ってない?」
「別にー」
……これから始まる講義は、「地域史」。
前期は明治維新前後の函館について学び、後期は戦国~江戸期の松前、福山氏の歴史について学ぶ。
この講義を無事に完了し、他の必要な単位を取得した者は。
来年の春に行なわれる、「博物館実習」に参加できる。
必要単位の取得およびその実習を無事終了した者は、「学芸員」の資格を得られる。