四百年の恋
 数日後。


 真姫は授業が終わった後、麻美と二人で体育館にいた。


 圭介の所属するバドミントン部の練習を見に来ていた。


 「さすが、うちのエースだよね」


 麻美が圭介のプレーに感心している。


 真姫はバドミントンのことはよく分からないのだけど、どう見ても他の部員よりも強い。


 「日頃はあんな軽そうなキャラだけど、やる時はやるんだね」


 ……この大学は、バドミントン部は北海道内でもかなりの強豪らしい。


 私大のようなスポーツ推薦枠はないので、部員はセンター試験を受験して合格した者が大部分にもかかわらず。


 圭介も、真姫が思っている以上に学業優秀らしいのだ。


 そして部のエース的存在。


 「卒業後は、実業団からも誘いの声が掛かっているらしいよ」


 「えっ、吉野くんがプロになれるの!?」


 麻美の言葉に、真姫は驚いた。


 「うーん厳密には実業団とプロとは違うんだけど。でもそれだけ注目された存在なんだよ」


 全国レベルの強豪選手は大部分が本州の名門大学に進み、それに一歩及ばない者も、札幌のスポーツ名門私立大学に推薦入学する。


 彼らの実績には若干劣るものの、圭介も道内では屈指の選手らしい。


 大学でエースとして活躍しているうちに、強豪校で出番のない連中を追い越したようだ。


 今や実業団からも注目されている存在……。
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