四百年の恋
未明
***
夜の眠りから覚め、朝を迎える頃。
夢と現実の狭間で混濁した意識の中、真姫の温もりを求めた。
夜明け前の寒さで、冷たくなったベッド。
腕を伸ばし、真姫を探す。
明け方はいつも不安だ。
愛する人が忽然と消えているような気がして、怖くなる。
「真姫……」
伸ばした指先が、真姫の背中に触れた。
安心すると同時に、その体を引き寄せ抱きしめる。
腕の中に閉じ込めると心が満たされる。
不安が消える。
髪を撫で、首筋にキスをする。
深い眠りの底から連れ戻したくて、向きを変え唇を重ねる。
再びその体が、昨夜のような熱を帯び始め……。
体を重ねようと起き上がった、その時だった。
腕が空を切る。
そして目覚める。
夜明けの静けさの中、何もかもが明らかになった。
広いベッドの上、一人きり。
「……」
この18年間、幾度となく同じ夢に惑わされてきた。
甘い夢ほど、目覚めた時のベッドの冷たさと孤独とが増してせつなくなる。
夜の眠りから覚め、朝を迎える頃。
夢と現実の狭間で混濁した意識の中、真姫の温もりを求めた。
夜明け前の寒さで、冷たくなったベッド。
腕を伸ばし、真姫を探す。
明け方はいつも不安だ。
愛する人が忽然と消えているような気がして、怖くなる。
「真姫……」
伸ばした指先が、真姫の背中に触れた。
安心すると同時に、その体を引き寄せ抱きしめる。
腕の中に閉じ込めると心が満たされる。
不安が消える。
髪を撫で、首筋にキスをする。
深い眠りの底から連れ戻したくて、向きを変え唇を重ねる。
再びその体が、昨夜のような熱を帯び始め……。
体を重ねようと起き上がった、その時だった。
腕が空を切る。
そして目覚める。
夜明けの静けさの中、何もかもが明らかになった。
広いベッドの上、一人きり。
「……」
この18年間、幾度となく同じ夢に惑わされてきた。
甘い夢ほど、目覚めた時のベッドの冷たさと孤独とが増してせつなくなる。