四百年の恋
 そして、三年次。


 いろいろあって圭介は、美月姫の担任になってしまった。


 よりいっそう近くで監視できるようになり、喜ばしくもあったが。


 問題は学校側の事情で予定よりも早まった「合併&共学化」。


 当初は美月姫の卒業後になる予定だったので、圭介は気にも留めていなかったが。


 よりによって自分が美月姫の担任になるのと同時に、新たに校舎内をうろつくようになった男子生徒の相手もしなければならなくなった。


 本人はまだ目覚めていないとはいえ、間近に男がいるとやはり気になる。


 世界が拡がる分、行動を把握しにくくなる。


 前世からの約束が叶うのだとしたら……?


 美月姫はいずれ福山の生まれ変わりとも出会う運命ということになる。


 不安を感じていた矢先、聖ハリストスきっての天才児兼問題児・清水優雅が、福山に瓜二つな容貌なのを知ってしまった。


 (これが運命なのだとしたら……?)


 圭介はまた、いずれまた二人に取り残されることとなるだろうか。
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