四百年の恋
宿命
***
「んー。何となく」
美月姫の個人面談から数日後。
この日の放課後は、清水優雅の順番だった。
圭介は学校一の天才児兼問題児と一対一で語り合うことに、不安を覚えていた。
どんな展開になるか、この日ばかりは見当が付かなかった。
……挨拶じみた、学年首位の成績に関する賛美の後。
これまでの生い立ちや、希望進路の話題に移りつつある時だった。
圭介が「なぜ中学受験をして、聖ハリストス学園を受験したのか」質問したところ、清水の回答は前述のような感じだった。
「親の勧めか?」
「そんな感じかな」
気温が上がった、気だるい一日だった。
時刻は午後から夕刻へと移り変わる頃。
圭介は清水のやる気無さそうな返事に、やきもきさせられていた。
「それと……。新学期早々の、進路調査票だけど」
圭介は調査用紙を清水の目の前、机の上に置いた。
「これはふざけすぎじゃないか?」
清水が記載した、希望大学の第三志望までは。
「偉大」
「莫大」
「増大」
……。
「真面目に、お前はどこを志望しているんだ?」
「分からない」
「とりあえず大学名は置いておいて、好きな分野から学部をまず決めて、それから大学を決めるのも手段で」
「……俺、行きたい大学を一人で決められないの」
清水は淡々と口にした。
「んー。何となく」
美月姫の個人面談から数日後。
この日の放課後は、清水優雅の順番だった。
圭介は学校一の天才児兼問題児と一対一で語り合うことに、不安を覚えていた。
どんな展開になるか、この日ばかりは見当が付かなかった。
……挨拶じみた、学年首位の成績に関する賛美の後。
これまでの生い立ちや、希望進路の話題に移りつつある時だった。
圭介が「なぜ中学受験をして、聖ハリストス学園を受験したのか」質問したところ、清水の回答は前述のような感じだった。
「親の勧めか?」
「そんな感じかな」
気温が上がった、気だるい一日だった。
時刻は午後から夕刻へと移り変わる頃。
圭介は清水のやる気無さそうな返事に、やきもきさせられていた。
「それと……。新学期早々の、進路調査票だけど」
圭介は調査用紙を清水の目の前、机の上に置いた。
「これはふざけすぎじゃないか?」
清水が記載した、希望大学の第三志望までは。
「偉大」
「莫大」
「増大」
……。
「真面目に、お前はどこを志望しているんだ?」
「分からない」
「とりあえず大学名は置いておいて、好きな分野から学部をまず決めて、それから大学を決めるのも手段で」
「……俺、行きたい大学を一人で決められないの」
清水は淡々と口にした。