四百年の恋
動揺
***
翌、六月。
夏至直前の日曜日の午前中。
福山城博物館付属の庭園に会場を設けて、福山冬悟の慰霊祭が執り行われた。
慰霊祭を運営するのは、博物館の主任学芸員であるオタク男こと明月一葉(めいげつ いちよう)。
この慰霊祭は花里真姫を偲ぶ会も毎年兼ねているので、大学の同期の多くが顔を揃える。
圭介も先発隊として、前夜から福山城下に入っていた。
一泊で参加しているメンバーで集まって、飲み会。
軽く二日酔いの体を奮い立たせて、この日は福山冬悟の慰霊祭。
とはいえ圭介は、むしろ真姫を弔う気持ちのほうが大きかった。
黙祷しながら瞼の裏に浮かぶのは……、生前の真姫の面影。
(安らかに眠ってほしい、でも……)
でももしも、生まれ変わって自分の前に再び現れたのなら。
あの頃の日々を取り戻したいという気持ちも、否定できずにいた。
もしもできるものならば……。
翌、六月。
夏至直前の日曜日の午前中。
福山城博物館付属の庭園に会場を設けて、福山冬悟の慰霊祭が執り行われた。
慰霊祭を運営するのは、博物館の主任学芸員であるオタク男こと明月一葉(めいげつ いちよう)。
この慰霊祭は花里真姫を偲ぶ会も毎年兼ねているので、大学の同期の多くが顔を揃える。
圭介も先発隊として、前夜から福山城下に入っていた。
一泊で参加しているメンバーで集まって、飲み会。
軽く二日酔いの体を奮い立たせて、この日は福山冬悟の慰霊祭。
とはいえ圭介は、むしろ真姫を弔う気持ちのほうが大きかった。
黙祷しながら瞼の裏に浮かぶのは……、生前の真姫の面影。
(安らかに眠ってほしい、でも……)
でももしも、生まれ変わって自分の前に再び現れたのなら。
あの頃の日々を取り戻したいという気持ちも、否定できずにいた。
もしもできるものならば……。