四百年の恋
「な、何……?」
ますます視界は揺らめき、夢か現実かが分からない。
ただ福山の腕の中は、非常に居心地がよく。
そして肩越しに輝く中秋の名月は、とても綺麗で。
耳元で囁かれる声は、やたら懐かしく。
「姫をひたすら待っていた。遠い昔からずっと……」
そして甘かった。
「姫。姫をもう一度抱きしめられるなら、再び孤独な眠りに引き戻されようとも構わぬ……」
「福山く、」
福山が何を言っているのか理解できず、問い返そうとした時。
不意に唇を重ねられた。
「……」
突然重ねられた唇。
驚きを隠せなかったものの、突き飛ばして逃げようとは思わなかった。
むしろこのままずっと、こうしていたい気持ちに埋め尽くされていた。
重なる唇も、また懐かしく甘いもので……。
キスがこんなに心地よいものだとは、知らずにいた。
甘く優しく、そして懐かしく……。
このまま深い眠りに落ちていきたい。
(初めてのキスが、好きな人とで本当によかった)
頭の片隅で、ふとそんなことを考える。
(好きな人?)
自分の意識と自問自答する。
(そうだったんだ。私は福山くんが好きなんだ)
漠然と認識する。
(いつから?)
きっかけが思い出せない。
(そうだ……。ずっと前から。ずっと前……?)
それがいつなのか思い出そうとした途端。
真姫は深い眠りの底に突き落とされた。
ますます視界は揺らめき、夢か現実かが分からない。
ただ福山の腕の中は、非常に居心地がよく。
そして肩越しに輝く中秋の名月は、とても綺麗で。
耳元で囁かれる声は、やたら懐かしく。
「姫をひたすら待っていた。遠い昔からずっと……」
そして甘かった。
「姫。姫をもう一度抱きしめられるなら、再び孤独な眠りに引き戻されようとも構わぬ……」
「福山く、」
福山が何を言っているのか理解できず、問い返そうとした時。
不意に唇を重ねられた。
「……」
突然重ねられた唇。
驚きを隠せなかったものの、突き飛ばして逃げようとは思わなかった。
むしろこのままずっと、こうしていたい気持ちに埋め尽くされていた。
重なる唇も、また懐かしく甘いもので……。
キスがこんなに心地よいものだとは、知らずにいた。
甘く優しく、そして懐かしく……。
このまま深い眠りに落ちていきたい。
(初めてのキスが、好きな人とで本当によかった)
頭の片隅で、ふとそんなことを考える。
(好きな人?)
自分の意識と自問自答する。
(そうだったんだ。私は福山くんが好きなんだ)
漠然と認識する。
(いつから?)
きっかけが思い出せない。
(そうだ……。ずっと前から。ずっと前……?)
それがいつなのか思い出そうとした途端。
真姫は深い眠りの底に突き落とされた。