四百年の恋
微風
***
「全く……! 実にくだらない」
大村美月姫は、学校近くのコンビニで買い物していた。
この日も朝から昼前まで、夏期講習。
夏休みの前半は、受験生ゆえびっしり講習の予定が詰まっている。
お盆前に札幌でセンター試験模試が開催されるので、一泊二日で参加してこなければならない。
それが終わってようやく、いくばくかの夏休みが与えられる。
受験生にはほんの少しの息抜きしか許されない。
そんなわけで、この日も美月姫は昼まで講習。
夏場の暑さゆえ、講習中にお茶などで水分補給することは許されていた。
そこで500mlペットボトル一本購入し、友人の買い物を待っている間立ち読みでもしていようと、雑誌コーナーに向かったのだけど。
たまたま目にしたティーン向け雑誌表紙の文字はどれもこれも下劣すぎて、美月姫は目を覆いたくなった。
「ドキドキ☆ひと夏の経験」
「実録! 私たちの初体験」
「どんなシチュエーションがいい? 彼氏との初めての……」
開放的な気分になる夏休みに合わせて、ティーン誌各誌は過激な特集を組んでいた。
「バカみたい。学生の本分は勉強なのに」
「お待たせー、美月姫。……何怒ってるの?」
「ちょっと! これ見てよ。あまりに下劣だと思わない?」
「下劣?」
友人は美月姫が指差したティーン誌を目にした。
「ああこれね。読者が自分の初体験の話とかを投稿したら掲載される、ちょっとエッチ系の・・・」
「そんな雑誌……! 有害図書じゃないの!」
「有害図書って……」
美月姫の言葉に、友人は苦笑した。
「全く……! 実にくだらない」
大村美月姫は、学校近くのコンビニで買い物していた。
この日も朝から昼前まで、夏期講習。
夏休みの前半は、受験生ゆえびっしり講習の予定が詰まっている。
お盆前に札幌でセンター試験模試が開催されるので、一泊二日で参加してこなければならない。
それが終わってようやく、いくばくかの夏休みが与えられる。
受験生にはほんの少しの息抜きしか許されない。
そんなわけで、この日も美月姫は昼まで講習。
夏場の暑さゆえ、講習中にお茶などで水分補給することは許されていた。
そこで500mlペットボトル一本購入し、友人の買い物を待っている間立ち読みでもしていようと、雑誌コーナーに向かったのだけど。
たまたま目にしたティーン向け雑誌表紙の文字はどれもこれも下劣すぎて、美月姫は目を覆いたくなった。
「ドキドキ☆ひと夏の経験」
「実録! 私たちの初体験」
「どんなシチュエーションがいい? 彼氏との初めての……」
開放的な気分になる夏休みに合わせて、ティーン誌各誌は過激な特集を組んでいた。
「バカみたい。学生の本分は勉強なのに」
「お待たせー、美月姫。……何怒ってるの?」
「ちょっと! これ見てよ。あまりに下劣だと思わない?」
「下劣?」
友人は美月姫が指差したティーン誌を目にした。
「ああこれね。読者が自分の初体験の話とかを投稿したら掲載される、ちょっとエッチ系の・・・」
「そんな雑誌……! 有害図書じゃないの!」
「有害図書って……」
美月姫の言葉に、友人は苦笑した。