四百年の恋

夜霧

***


 翌週。


 お盆前の週末。


 美月姫たちは二泊三日の予定で、学校が用意したバスに乗り込み、センター試験模試を受けるために札幌の予備校へと向かった。


 例年は一泊なのだけど、この年から二泊に変更となった。


 試験の前日に札幌入りし、二日目が一日中模試。


 その夜もう一泊して、三日目に帰路につくのだった。


 学校と提携しているホテルも用意されているので、宿泊場所にも困らない。


 模試はもちろん大事だが、三年生にとっては唯一の宿泊イベントゆえ、楽しみにしている者が多かった。


 札幌入りした日は、試験前日なので到着後すぐに自習タイム。


 夕食のとお風呂のあと、早めに消灯時間となる。


 美月姫の部屋は三人部屋だった。


 翌日が試験。


 一日中大手予備校に缶詰で、センター試験で必要な全教科分の模擬試験を受けた。


 夕方遅くに、ようやく開放。


 ホテルに戻って夕食の後、自習タイム。


 ……のはずなのだけど、生徒の一部はホテルを抜け出して、外へと飛び出していく。
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