四百年の恋
***


 九月の下旬、秋分の日を絡めた連休の頃。


 美月姫の父親の弟、美月姫からすると叔父夫婦が中部地方から旅行で訪れていた。


 その夜、叔父夫婦と両親と美月姫の五人で、市内の高級中華料理店で食事をすることになった。


 五千円のディナーコースは、飲み放題付き。


 もちろん美月姫はソフトドリンクのみだったけど、叔父夫婦と両親は紹興酒などを堪能している。


 「美月姫ちゃんは、次は何を飲む?」


 叔父に尋ねられた。


 「あ、ジャスミンティーお願いします」


 「冷たいのでいいかい?」


 「はい」


 料理は美味しいし、お茶類も味わい深く、つい次から次に注文してしまう。


 「美月姫ちゃん、名古屋の大学に来ればいいのに」


 叔母に勧められる。


 名古屋近郊に行けば、叔父夫婦の家が近いので、心強くもあるのだけど。


 「でも美月姫ちゃんは、東大も狙えるくらいなんだろ?」


 叔父の言葉に、美月姫は頷きながら当落線上であると答えた。
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