四百年の恋
***


 「四時間も歌っちゃったねー」


 テストが終わった日。


 美月姫は友人二名と、市内のカラオケに来ていた。


 二時間の予定が、延長を二度繰り返してしまい、合計四時間。


 昼過ぎに始めたのに、店を出る頃にはすでに辺りは薄暗かった。


 「そろそろ帰らなくちゃ。勉強しなさいって親がうるさいんだ」


 美月姫の親は美月姫を信頼し切っていて、勉強も自主性に任せている。


 美月姫が親の信頼に十分応えうる結果を残しているせいもあるが。


 だけど友人たちの家は、そうはいかないみたい。


 そろそろ帰らないと、まだ受験は終わってないのに! と怒られてしまいそうだ。


 そんなこともあり、三人は帰路を急ごうとしていた。


 「……ねえ、あれ何だろう?」


 ゲームコーナーで、来店記念のプリクラを一枚撮影し終わった時。


 友人がそばにある機械に目をやった。


 「前世鑑定、だって!」


 「前世?」


 三人は駆け寄ってみた。


 「一人百円で、前世を判定してくれるみたいだよ」


 面白がってまず友人が、百円を投入した。


 備え付けのカメラで顔面を撮影。


 それを元に前世が判定されるという。


 面白半分で三人は続けてチャレンジすることにした。
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