四百年の恋
***


 「四時間も歌っちゃったなー」


 美月姫たちが店を出て、約一時間後。


 今度は優雅と友人二名が歌い終えて、会計を済ませていた。


 彼らも四時間にわたって歌いまくっていたのだった。


 美月姫グループとは来店時間が微妙にずれていたので、互いに存在には気づいていなかった。


 昼過ぎに来店したのに、店を出る頃にはすでに辺りは薄暗かった。


 「女子も誘えばよかったな」


 友人のうちの一人が口にした。


 「以前だったらユウガ、お前が誘って大村たちのグループとよくご一緒したのに。最近めっきり疎遠になってない?」


 続いてそう訪ねてきた。


 「ん……。彼女も勉強大変みたいだし。今は控えた方が」


 優雅はお茶を濁した。


 「勉強で大変じゃない受験生は、日本でお前だけだよ。ユウガ」


 全くもって羨ましい……などと言いながら優雅の肩を叩いた時、


 「おい、あれ何だ?」


 友人がゲームコーナーにある機械に気付いた。


 「前世鑑定、だって!」


 「前世?」


 面白そうなので、三人は駆け寄ってみた。
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