四百年の恋
 「……北大は北海道外から入学する学生が多いから、色んな地域出身の友達ができたんじゃないか」


 美月姫の表情から考えていることを察したようで、圭介はさっと話題を変えた。


 「そうですね……。私は文系だから理系ほどではないんですが、学部内には道外出身者も何人かいます。私の仲良くなった子も、大多数は道内出身ですが、同じ学科には関東や関西出身の子もいます」


 「北大ほど規模が大きくて伝統のある大学に入れば、学生の年齢や出身地、それに国籍も無数だろう」


 「そうなんです。大学院生には社会人もいますし、外国人留学生もいます」


 「それだけ多岐に渡った学生が在籍している分、様々な出会いもある。新しい出会いを大切にするんだぞ」


 「はい」


 いい友人を見つけるようにとの推奨なのか。


 それとも新たに愛する人を見つけるようにとの忠告なのか。


 美月姫にはどちらなのか判別が付かなかったが、圭介の言葉に頷いた。


 「なんか私の話ばっかりで申し訳ないから、先生の話も聞きたいですね」


 「俺の?」


 「ええ。先生には今、好きな人とかっていないんですか?」
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