四百年の恋
……この日は珍しく、圭介のほうから美月姫に誘いがあった。
学校での静香の言葉に苛立ちを感じていたので、飲みたい気分だった。
同僚相手では、この日ばかりは気が晴れない。
そのような場合、以前だったら一人で飲みに行ったのだけど、即座に美月姫に誘いのメールをしていた。
承諾の返事があったので、放課後部活の始動も終えてから、会場で待ち合わせ。
「嬉しい、先生から誘いがあって」
飲まなくても、この店は食べ物も美味しいし、何より圭介の飲んでいる姿をそばで見守っていたくて美月姫はついて来た。
「飲むペースも速いし、何か嫌なことがあって、憂さ晴らししてるんじゃないかって心配です」
「お前が気にするようなことじゃない」
「私にできることがあったら協力しますから、何でも言ってくださいね。……私も先生の助けになりたいし」
「気を遣わなくていい。こうやって一緒に飲めるだけでいいんだから」
「でも私、実際はお酒は飲んでないですし」
美月姫は不服そうな表情を浮かべた。
「そんなに酒を飲みたいか? 社会人になれば嫌でも……」
「先生と一緒に飲みたいんです」
美月姫は断言した。
「誰も居ないところだったら、今すぐにでも一緒に飲んでもいいのに。あ、そうだ、先生の部屋」
「えっ」
圭介は最初、聞き違いかと思った。
「先生の部屋に行ってみたいです。先生の部屋だったら、誰にも見られず飲むことができますね」
学校での静香の言葉に苛立ちを感じていたので、飲みたい気分だった。
同僚相手では、この日ばかりは気が晴れない。
そのような場合、以前だったら一人で飲みに行ったのだけど、即座に美月姫に誘いのメールをしていた。
承諾の返事があったので、放課後部活の始動も終えてから、会場で待ち合わせ。
「嬉しい、先生から誘いがあって」
飲まなくても、この店は食べ物も美味しいし、何より圭介の飲んでいる姿をそばで見守っていたくて美月姫はついて来た。
「飲むペースも速いし、何か嫌なことがあって、憂さ晴らししてるんじゃないかって心配です」
「お前が気にするようなことじゃない」
「私にできることがあったら協力しますから、何でも言ってくださいね。……私も先生の助けになりたいし」
「気を遣わなくていい。こうやって一緒に飲めるだけでいいんだから」
「でも私、実際はお酒は飲んでないですし」
美月姫は不服そうな表情を浮かべた。
「そんなに酒を飲みたいか? 社会人になれば嫌でも……」
「先生と一緒に飲みたいんです」
美月姫は断言した。
「誰も居ないところだったら、今すぐにでも一緒に飲んでもいいのに。あ、そうだ、先生の部屋」
「えっ」
圭介は最初、聞き違いかと思った。
「先生の部屋に行ってみたいです。先生の部屋だったら、誰にも見られず飲むことができますね」