四百年の恋
そして一緒に散らばった書類は……報告書?
「どういうこと? 何なのこれ?」
真姫は疑いの目を、圭介に向けた。
「……興信所の、調査結果だ」
「興信所?」
「探偵を雇ったんだよ!」
「探偵ですって……?」
真姫はあ然とした。
「何考えてるの? 探偵を雇うなんて、お金かかるんでしょ」
「貯金をはたいた」
「なぜそこまで……。まさか、仕返しするつもりじゃ」
弱みを握って脅したりなどといった形で、圭介は復讐を企んでいるのではないかと危惧した。
「私怨じゃない!」
圭介は真姫の言葉を遮った。
「あいつは、ただ者じゃない。俺がこんな目に遭った直前のあいつの目、普通じゃなかった。思い出しただけでも恐ろしい……」
「でも福山くんは、吉野くんを助けてくれたんでしょ? なのにどうして、探偵を雇って弱みを握ろうと?」
「じゃお前は、あいつのことをどこまで知ってるんだ?」
「えっ」
「あいつの何もかもを、理解しているのか?」
「……」
そういえば。
(福山くんと二人きりになっても、会話は適度な世間話ばかりで)
彼の家庭環境や生い立ち、詳しい情報を真姫はほとんど知らずにいた。
「どういうこと? 何なのこれ?」
真姫は疑いの目を、圭介に向けた。
「……興信所の、調査結果だ」
「興信所?」
「探偵を雇ったんだよ!」
「探偵ですって……?」
真姫はあ然とした。
「何考えてるの? 探偵を雇うなんて、お金かかるんでしょ」
「貯金をはたいた」
「なぜそこまで……。まさか、仕返しするつもりじゃ」
弱みを握って脅したりなどといった形で、圭介は復讐を企んでいるのではないかと危惧した。
「私怨じゃない!」
圭介は真姫の言葉を遮った。
「あいつは、ただ者じゃない。俺がこんな目に遭った直前のあいつの目、普通じゃなかった。思い出しただけでも恐ろしい……」
「でも福山くんは、吉野くんを助けてくれたんでしょ? なのにどうして、探偵を雇って弱みを握ろうと?」
「じゃお前は、あいつのことをどこまで知ってるんだ?」
「えっ」
「あいつの何もかもを、理解しているのか?」
「……」
そういえば。
(福山くんと二人きりになっても、会話は適度な世間話ばかりで)
彼の家庭環境や生い立ち、詳しい情報を真姫はほとんど知らずにいた。