四百年の恋
「いやーーー!!」
好きだった人が目の前で腐敗を始めて、ところどころ骨まで露出している。
そのグロテスクな姿に耐え切れず、真姫は顔を背けてしまった。
そして飛び込んだのは、圭介の胸の中。
~姫……~
冬悟はそれが真姫の答えだと受け止めたようだ。
「前世ではどんなに愛し合っていたか知らんが、真姫は今はもう別の人生を歩んでいるんだ。そっとしておいてくれ! お前は一刻も早く成仏しろ! あの世に帰れっ」
圭介は冬悟に言い放った。
~そう……かもしれない~
冬悟は切なそうにつぶやき、うつむいた。
~真姫が選んだ道ならば、私はそれに従うしかないな。だが私は、成仏などできない。再びあの桜の木の中に戻るのみ。一人深い孤独の底へ……~
その時、最後に見た冬悟の表情はひどく悲しそうで。
瞳には涙が浮かんでいた。
「うわっ」
急に周囲の木々の葉が舞い散り、辺りは竜巻のような風に包まれた。
一同、しばらくの間目を開けることができず。
再び目を開いた時には、すでに冬悟すなわち福山龍之介の姿はどこにもなかった。
好きだった人が目の前で腐敗を始めて、ところどころ骨まで露出している。
そのグロテスクな姿に耐え切れず、真姫は顔を背けてしまった。
そして飛び込んだのは、圭介の胸の中。
~姫……~
冬悟はそれが真姫の答えだと受け止めたようだ。
「前世ではどんなに愛し合っていたか知らんが、真姫は今はもう別の人生を歩んでいるんだ。そっとしておいてくれ! お前は一刻も早く成仏しろ! あの世に帰れっ」
圭介は冬悟に言い放った。
~そう……かもしれない~
冬悟は切なそうにつぶやき、うつむいた。
~真姫が選んだ道ならば、私はそれに従うしかないな。だが私は、成仏などできない。再びあの桜の木の中に戻るのみ。一人深い孤独の底へ……~
その時、最後に見た冬悟の表情はひどく悲しそうで。
瞳には涙が浮かんでいた。
「うわっ」
急に周囲の木々の葉が舞い散り、辺りは竜巻のような風に包まれた。
一同、しばらくの間目を開けることができず。
再び目を開いた時には、すでに冬悟すなわち福山龍之介の姿はどこにもなかった。