♥続・甘々な俺様とふたりきり♥
「でもなチビ、やっぱり我慢は良くない」
「何で?俺は親に迷惑かけたくない」
「子どものわがままが迷惑なんて思う親なんていねぇよ。
チビは今までも我慢してたんだろ?少しくらいわがまま言ったっていいじゃねぇか」
「でも……」
「俺、小5の時我慢出来なくて言ったんだよ。
『俺はもっとたくさん家族と過ごしたい』って。
そしたらばばぁ……母さん泣いちゃって。
今まで俺がそんなこと思ってたの知らなかったらしくてさ。
まぁ俺もダチの家に行っちゃって家にいないときもあったから、俺のこと知らなかったんだろうな」
「それでどうなったの?」
「そんなすぐにはいかなかったけど、ちゃんと父さんも時間作ってくれて、家族で過ごせる時間が出来たよ。
だから俺は後悔してねぇよ。ちゃんと素直になるべきなんだよ」
「そっか……」
「お前も今の気持ちを親に言うべきなんじゃねぇの?」
「言ってもわがままじゃないかな?」
「大丈夫に決まってんだろ。ちゃんと言えよ?」
「あぁ……分かった。ありがとう輝!」
チビはちょっと涙を浮かべながら、
ちゃんと笑顔で俺に礼を言ってきた。
お前も辛かったんだよな。
俺とチビは名前だけじゃなくて、ちょっと似た境遇だったんだな。
「ほら涙は風呂に流せ」
「それを言うなら水にだろ」
「分かってるわ。あ、鼻水は流すなよ」
「な、流さねぇよバカっ」
「うるせぇ泣き虫」
「輝に感謝して損したっ」
まだ全然遅くはねぇから、
ちゃんと素直になれよ輝。