続・芸能人と恋に落ちました。
無言のまま2人で歩く
お互いに口を開かない
「…迎えに来てくれたの? 」
重苦しい沈黙を破ったのは未來だった
「あぁ」
「…ありがとう」
「あの男の事、好きなのか?」
あいつといた時の未來は本当に楽しそうに笑っていた
ただ不安で、こんな事を聞いてしまった
「なんでそうなるの? 」
「親しげに話してたし、結構楽しそうだったから」
「…蒼は私の事わかってないんだね」
「俺がお前をわかってない?」
一歩一歩着実に進んでいた足を止め未來に体を向ける
「全然わかってないよ! 私がどう思っているか…誰を見続けているのか! 蒼にはわからないの⁉︎ 」
「…泣くなよ」
「私と健太はそういう関係じゃない! 」
住宅街だというのに未來はそんなことも忘れ叫び続ける
「お前はそう思っていてもあいつはどう思ってるかわからないだろ?」
「健太には好きな人がいるの! 私に相談してくれたの! 」
「わかんねぇだろ。お前の気を引くために嘘ついたって事も考えられんだろ」
「…やめて」
あまりにも小さい呟きに聞き取れなかった
「は?」
「やめて! 例え蒼でも…健太の事を悪く言う人は私が許さない! 許さないから」
いつもの未來とは何かが違う…
俺はこんなに怒った未來を見たことがない