キミが消えた日々
序章-キミへ。
‥私のお腹の中には子どもがいる。
私と、キミの子ども。
決してこの地を踏むことはない、決して生まれることのない、でも確かに私のお腹の中で育っている、キミと私の子ども。
決して、ヒトに知られることはない。
キミに子どもがいたことも。
キミの子どもが私のお腹にいることも。
新しいひとつの命が生まれたことも。
そして、その命がこの世からは隔絶されていることも。
‥それでも確かに、この世に存在したことも。