How much?!


助けを求める為、志帆ちゃんをタップしようとしたが……。


ダメ。

今日は皆川さんの誕生日だって言ってたもん。

折角のラブラブdayに邪魔しちゃダメだよ。


家族に助けを求めたい所だけど、実家は地方にある。

今から出発しても、到着するのは明日の午後になるだろう。


じゃあ、誰に助けを求める?


アドレス一覧を眺め、『紺野部長』に目が留まった。


元々は部長の要請だし、お礼はたっぷりしてくれるって言ったんだから、何とか助けてくれるよね?


上司だというのに、無謀にも紺野部長に電話を掛ける。

けれど、何度掛けても繋がらない。

もしかしたら、商談中かもしれないな。


日中は忙しい紺野部長は、夕方から夜遅くに商談を組んでいる。

恐らく、今日は商談日なのかもしれない。


はあぁ~~………。

ホント、笑えるくらいツイてないじゃん!!


ここまでツイてないと、思考が正常に働かない。

目の前を通り過ぎる車をヒッチハイクでもしようかな?


苦笑しながら漸く駅に辿り着いた。

最後に僅かな希望を託し、駅員室へ向かおうとしたのだが……。


何でシャッターが下りてるの?

意味分かんないんだけど……?



時刻表を見ると、最終電車は20時台が最後。

嘘でしょーッ!?

じゃあ、何でバスが到着したのよッ!!


やり場の無い怒りが込み上げて来た!!

鉄道会社にクレームつけてやる!!


そう思いながらも、一気に焦燥感に駆られる。

もう、野宿でもして凍え死ぬのもアリかな~?


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