How much?!
お互いにベッドの縁に身体を寄せるものだから、背中と背中の間に空間が出来て寒いっ!
かと言って、布団を間に押し込んだら、身体に掛ける部分が無くなっちゃう気がして……。
どうしよう。
我慢するしかないよね?
悶々と思考を巡らせるものの、やはり背中がスースーして眠れない。
彼がすぐ後ろにいると思うと余計に目が覚める。
寒いし、目が覚める?
ん?それって、片方は消去出来るよね……?
私の思考は寒さでおかしくなったのか。
はたまた、不運続きで脳がイカれたのか。
どっちにしても、正常には機能しそうにない。
だったら、出来るだけ快適に過ごすに限るよね?!
あらぬ方向に思考が向いた結果―――――。
「ッ?!…………おいっ、何してんだ?」
「…………寒いので、へばりついてます」
「は?」
彼と同じ布団にいると思うだけでドキドキしてしまう。
更に寒さで寝れそうに無い。
だったら、せめて寒さだけでも何とかしたいと考えた私。
危険だとか、無謀だとか、考える余裕は既に無かった。
彼の背中にピタッとくっつくように………。
……温かい。
冷えた頬を温めるようにスリスリすると、彼が寝返りを打った。
「お前、相当な性悪女だな」
「え?」
「俺に牽制しておきながら煽るって、どんだけだよ!」
「べっ、別に煽ってなんか……。ホントに寒くて……」
煽るつもりで言ったんじゃない。
本当に寒くて、ぬくもりを求めた結果がコレだった。
そんな私の真意に気付いたのか……。