How much?!
ハッと我に返った時は既に遅し。
彼女の手によって、彼にメールが送られてしまった。
「何て………送ったの?」
「フフフッ」
ちょっと、かなり不気味なんだけど……。
志帆ちゃんはニヤリと不敵に微笑んでいる。
お願いだから、前にみたいにカマかけて来てよ~!
心臓に悪いじゃん……。
物凄い変な汗が出て来るよ。
溜息まじりに彼女に視線を送ると……。
「あっ、来た!!」
「ッ?!」
ブブブッと震えたスマホを私に見えるように差し出す彼女。
私は意を決してそれを手に取ると。
『悪いが、14日までは時間を作れそうに無い。14日の夜じゃダメか?』
すぐさま彼女が何て送ったのかを確認すると、
『お疲れ様です、お仕事中すみません。遅くなりましたが、先日のお礼をしたいのでお時間を作って頂けないでしょうか?』
さ、さすが、志帆ちゃん!!
貴女は恋愛のエキスパートですよ!!
「ありがと」
「いいえ~、どう致しまして~」
エビフライを頬張りながら、はにかむ彼女。
やっぱり、可愛い。
「で、何て返信すればいい?」
「普通に『では、14日にうちに来て下さい』でいいじゃないですか~?」
「そういうもの?」
「はい、そういうものです」
「そっか」
志帆ちゃんが言うようにストレートにメールを送ると。
『了解。少し遅くなるけど、行く前にメールする』と返って来た。
明後日、彼が我が家にやって来る。