How much?!


「これ全部、小町が作ったのか?」

「え?……あ、はい」

「へぇ~、意外だな」

「………意外ですか?」

「ん」


それって、どういう意味?

料理が出来なさそうなのに、結構良く出来てるって褒めてるって事?

それとも、洋食が好きそうな顔でもしてるのかしら?


ロールキャベツは和食じゃないけど、トンカツやこってりしたハンバーグよりはパンチ力が弱い。

遅めの夕食には消化が良いものの方が身体にはいいし、栄養バランスを考える人なら尚更だ。


「どうぞ、冷めないうちに」

「ん、いただきます」


彼は律儀にも両手を合わせてから箸を手にした。

そんな彼にお茶を差し出す。


「いただきます」


彼が何を言うのか気になりながらも、お味噌汁を口にする。

……ん、お出汁が効いてて美味しい。


料理にはそこそこ自信がある。

伊達に独り暮らしを10年以上してるわけじゃない。

大学時代から比べれば、格段に腕は上がっている筈。


志帆ちゃんくらいにしか食べさせてないから少し心配だけど、しっかり味見はしているし。

大丈夫だとは思うんだけど………。


無言で口にする彼をじーっと見つめ、痺れを切らした私は……。


「あの、お口に合いませんでしたか?」

「………いや」


えっ、それだけ?

他に言う事ないの?

美味しいとは言えなくても、不味いとか、まぁまぁとか、何か言える事は無いわけ?


あまりの物足りなさに唖然としていると、


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