How much?!
彼と隣り合わせにソファに座り、贅沢過ぎる夜景を堪能していると。
「お待たせ~」
叔母様の声がして振り返ると、美味しそうな香りと共に料理が運ばれて来た。
叔母様の後ろにはロマンスグレーの似合う男の人がいた。
私がじっと見つめていると、その人とバチッと視線が合ってしまった。
「初めまして、大和の叔父です」
「あっ、初めまして!早坂小町と申します」
慌てて立ち上がり会釈すると、隣りに座る男は笑いを堪えている。
アンタの彼女でも無いのに、一応挨拶してやってんだから感謝くらいしなさいよっ!
まぁ、お料理を戴くから……礼儀として挨拶だけはしないと……なんだけど。
テーブルの上にはほうれん草とホタテのクリームソースのパスタとサラダ、スープ、フルーツタルトが置かれた。
ゴクリ。
見るからに美味しそうだ。
「じゃあ、ごゆっくり~」
「あっ、すみません、戴きます」
叔母様ご夫婦が戻って行くのを見届け、腰を下ろした私。
徐に彼の腕を小突いた。
「痛っ、何すんだよっ!」
「笑う事ないじゃないっ!」
「笑ってねぇだろ、笑いを堪えてたんだ」
「どっちだって同じじゃない!」
「フッ、まぁいいから食え。冷めんぞ?」
「うぅ~…………戴きます!」
お料理には責任は無いからね?!
私はイラッとしながらも、お料理はおいしく戴く事にした。