How much?!


甘い痺れをもたらした彼の唇がゆっくりと離れてゆく。

キスの余韻を感じながら、自然と彼の首筋に顔が埋まる。

力が抜け切った私の身体を抱き留める彼。

完全に彼のキスに酔いしれていた。

すると、心地いいほどの美声が耳元で――――


「俺のこと、好きだろ」

「………んっ…………ん?…………ふぇ?」


好きだろって、それって………?!


「んっなわけないでしょッ?!」

「フッ、何だよ。もう少しだったのに……」

「はあぁぁ~~ッ?!!」


完全に誘導尋問で『うん=好き』と言わされるところだったじゃない!

あっぶなぁーいッ!!

彼との距離を保とうと身体を起こして腕を突っ張ると。


「んッ!!」


不意打ちにチュッと唇を奪われた。


「もう遅いから送ってく」

「………」


彼はソファから立ち上がり、革ジャンを羽織り始めた。

ダメだ。

完全にキスに酔って彼のペースに呑まれてる。

はぁ……ホントに自分が嫌になる。






叔母様の家を後にし、彼は私の自宅へと車を走らせている。


ここ数日キス1つして来なかったから、完全に無防備だった。

この無駄にフェロモン垂れ流し男の手口にまんまと引っ掛かるだなんて……。

溜息しか漏れて来ないよ。


流れる景色を眺めながら自責の念に駆られていた。


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