How much?!
「っんで?今日の呼び出しは……?」
「あのっすねぇ、近々彼女の誕生日が来るんすよ」
「で?」
「何かプレゼントをあげたいんすけど、いきなりあげたらおかしいっすか?」
「ん~、いいんじゃね?サプライズ的で喜ぶんじゃねぇーの?」
「でも、俺が誕生日を知ってたらキモくないっすかぁ?」
「ってか、知ってんじゃん」
「うっ……そうなんすけど……」
俺は彼女の個人データは何でも知っている。
マジで好き過ぎて、何でも知りたくて……。
気付いたら、ストーカーと言われてもおかしくないくらい彼女の事を調べ上げていた。
……今更だが、自分の行動力が恐ろしい。
「でもまぁ、住所や生年月日ぐらいなら、会社の社員名簿を見れば分かる事だし、いいんじゃね?」
「マジでそう思います~?」
「ん。ってか、顔に『あげたくて、おかしくなりそう』って書いてあんぞ?」
「ッ?!」
図星なだけに言い返せない。
「で?……何をあげるつもりなんだ?」
「それが問題なんすよ……」
「そうだなぁ、リングは気が早ぇーし、ネックレスもどうかと思うなぁ」
「ですよねぇ」
「まぁ、さり気なく気持ちをアピールするにはいいかもな」
彼女の誕生日は2週間後。
毎年、この時期になると嫌でも彼女を監視するようになっていた。
だって誕生日の翌日とかに、見慣れないアクセサリーをしてたらマジでショックが大き過ぎる。
自分が行動に出さないだけなのに、そんな小さな事でさえビクビクしていた。