How much?!


「良かったぁ。私1人でじゃあ、とても耐えれそうに無かったので」

「ッ?!」


おいおいおいおい、それってどういう意味?

もしかして………俺のこと、好きって事?


脳内が一瞬でお花畑に変身した、次の瞬間。


「実は昨日、美園店の改装手伝いに行ったんですけど、業者さんから映画のチケットを頂いたんですよ。でも、期限が明日までなんですよねぇ。相澤さんと行こうかと思ったんですけど、明日は遅番で行けそうにないんですよ。私、映画は1人で観に行った事が無くて……」

「…………あっそ」


そういう事かよッ!!

めちゃくちゃテンション上がったのに、なんか無性にムカついて来た。

俺じゃなくても良かったって事かよ。

しかも、誕生日とかそんな事はどうでも良くて、チケットの期限がたまたま明日までって事かよ。

1人で行くよりはマシってぐらいにしか、俺の事は思ってないって事か。

なんか、俺だけ1人で浮ついてんのが気に入らねぇ。


「じゃあ、明日の19時に駅前のロータリーでいいですか~?」

「好きにしろ。ってか、19時じゃ間に合わないかもしんねぇぞ?」

「あっ、はい、大丈夫です。音楽でも聴いて待ってますから」

「…………あっそ」

「じゃあ、また明日。お休みなさい」

「ん、おやすみ」


理由はどうであれ、会う約束は出来たが……。

何か、ムシャクシャするな。


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