How much?!
43,500円
誕生日の前日、恒例の相談会開催中。
会社近くの定食屋で今日も志帆ちゃんとランチ中。
「志帆ちゃ~んっ、どうしよう~!!」
「どうしようって……。先輩、いいですか~?」
「………ん」
「相手は繁忙期で公休日も返上して仕事してるんですよ?」
「……うっ……ん」
「向こうからの連絡を待ってたって、時間の無駄ですよっ!」
「うっ……、そんな事は分かってるんだけど、中々勇気が出なくて……」
「もうっ、何を今さら言ってるんですか?!自分の気持ちに向き合うって言ったのは誰ですか?」
「………私だけど」
「だったら、後は行動あるのみでしょ!」
「そんな簡単に言うけど……」
「じゃあ、携帯貸して下さい!私がメールしてあげますから」
「いやっ、それはダメッ!!」
「どうして?」
「自分の気持ちに向き合うと決めた以上は、例え志帆ちゃんでも手を借りる訳にはいかない」
「フフッ。ホント、困った人ですね、先輩って」
「………ごめん。なんか私って、矛盾してるね」
「いいんじゃないですか~?」
「え?」
「人の気持ちって、言葉では言い表せない事だってありますよ。それに、それが恋愛なら尚の事」
「うっ………」
「先輩、最近どんどん綺麗になっていってるって、自分で気付いてます?」
「えっ?」
「ちょっと前の先輩とは別人みたいに凄く綺麗ですよ」
「えっ、ちょっ……やめてよ」
「褒めてるとかじゃなくて、私の素直な気持ちです」
志帆ちゃんはお茶を啜りながら優しい笑みを浮かべた。