How much?!
「小町、結婚は?」
「何それ、嫌味?」
「いや、そう言う意味じゃなくて。お前みたいなイイ女が独身ってのが、勿体ない気がしてさ」
「ありがと。お世辞でも嬉しいよ」
「いや、お世辞じゃないって。マジで言ってんの」
「………結婚はしたいと思ってたけど、相手がいなかったら出来ないじゃん。だから、今はあまり願望は無いかな」
「マジで?ホントに誰もいないのかよ?何だったら、紹介しようか?」
「………紹介はいいや」
「何、その反応。もしかして、気になる奴がいんのか?」
「………」
昔からコイツはズバズバ言う分、勘が鋭い。
「気になるっていうか……。気になってるのかさえ、よく解んないんだけど」
「でも、何となくでも気になる気がしてんだろ?」
「…………ん、まぁ、何となくね」
部長から話を聞かされたからってのもあると思う。
正直、彼との接点なんておかしな賭けから始まったと思っていたから。
でも、本当は………もしかしたら、違うのかもしれない。
だから余計に気になるってのもある。
「俺らの歳になるとさ、出逢い自体が奇跡の連続だと思うんだわ」
「へ?」
「こうして営業やっててつくづく思うんだけど、縁って、知らぬうちに導かれてるんだよな」
「………」
「お客様あっての仕事だけど、メーカー同士の付き合いもあるし、こうして取引先との付き合いもある。だから、いつどこでっていう線引きは無いと思ってる」
「………そうだね」
「それに俺ら、大学を卒業して一度は別れたんだ」
「え?」