How much?!


「ん~、例えば……裸踊りとか、ビンタ10発とかでもいいぞ?」

「…………」



完全に思考が停止した。

ちょっと何なの?………それ。

マジで言ってんの?

アンタ、頭……大丈夫?


怪訝な顔つきで覗き込んでいると、


「俺は至って本気だ。この俺に出来ない事は無いからな。小町の望みくらい、何でも叶えてやるよ」

「ッ?!」



『小町の望みくらい、何でも叶えてやるよ』

恋人に言われたのなら最高の甘い響きに取れただろう。


だけど、目の前のコイツは恋人でなければ友達でも無い。

賭け勝負の標的だ。


しかも、サラリと嫌味も上乗せして言い切った。

瞳は至極真面だ。

って事は、………さっきの例示も全て本気って事?

ありえない!!

何なの、コイツ。

ちょっと怖くなって来たんだけど……。


彼が言うと、本当に全部が可能なんだと思えてくる。

これも彼の手口なわけ?


唖然としてると、頭の上にポンと手が乗せられた。


「今じゃなくても構わない。ゆっくり考えろ」


くっ………悔しい~~~ぃ~~~ッ!!

無駄に綺麗な顔に見惚れちゃったじゃないッ!!


悟られまいとギュッと目を瞑って、深呼吸。


『これがこの男の手口なんだ!』と何度も自分自身に言い聞かせた。

そして、再び目を開け彼に視線を向けると、口角を歪ませた彼がじっと見据えていた。


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