How much?!


「エロい妄想は終わったか?」

「はっ?……なっ、何で私が変な妄想しなくちゃならないのよっ!」

「フッ、違うのか?」

「違うに決まってるじゃないッ!!」

「へぇ~」


見事に嘲笑された。


あぁ~もう何で、コイツの言葉に乗せられてんのよ!

奴みたいにサラリとかわさないと……。


経験値がモノを言うのか、会話1つ真面に返せない。

溜息まじりに俯くと、


「で?」

「………『で?』とは……?」


相変わらず、嘲笑う視線を浴びせながら小首を傾げた。


「小町は俺に何をしてくれるんだ?」

「ッ?!」


彼は口角を歪ませ、瞳は半円を描いた。


「俺の例示に見合うだけの褒美が………」


腕組み状態で言い淀んだかと思えば、再び値踏みするみたいに無神経な視線を向けて来た。

咄嗟に身体を引き、身構えると……。


「フッ、……あるとは思えないな」

「なっ?!何ですってッ?!」


思わず、声を荒げてしまった。

大通りを行き交う人々が冷やかな視線を向けている。

けれど、目の前の男は全く動じず、サラリと言葉を続けた。


「じゃあ、何か?お前にウン百万円もする高級腕時計がポンと買えるのか?…………いや、買えねぇよな」

「ッ」

「それに、お前が裸になった所で俺に何のメリットも無い」

「なっ、何ですってぇ~~ッ!!」

「どう見たって、中の下、いや、下の上かなぁ?まぁ、そんな所だろ」

「はぁ~~ッ?!ちょっと、何勝手に言いたい放題言ってんのよッ!!」


< 25 / 290 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop