How much?!
「エロい妄想は終わったか?」
「はっ?……なっ、何で私が変な妄想しなくちゃならないのよっ!」
「フッ、違うのか?」
「違うに決まってるじゃないッ!!」
「へぇ~」
見事に嘲笑された。
あぁ~もう何で、コイツの言葉に乗せられてんのよ!
奴みたいにサラリとかわさないと……。
経験値がモノを言うのか、会話1つ真面に返せない。
溜息まじりに俯くと、
「で?」
「………『で?』とは……?」
相変わらず、嘲笑う視線を浴びせながら小首を傾げた。
「小町は俺に何をしてくれるんだ?」
「ッ?!」
彼は口角を歪ませ、瞳は半円を描いた。
「俺の例示に見合うだけの褒美が………」
腕組み状態で言い淀んだかと思えば、再び値踏みするみたいに無神経な視線を向けて来た。
咄嗟に身体を引き、身構えると……。
「フッ、……あるとは思えないな」
「なっ?!何ですってッ?!」
思わず、声を荒げてしまった。
大通りを行き交う人々が冷やかな視線を向けている。
けれど、目の前の男は全く動じず、サラリと言葉を続けた。
「じゃあ、何か?お前にウン百万円もする高級腕時計がポンと買えるのか?…………いや、買えねぇよな」
「ッ」
「それに、お前が裸になった所で俺に何のメリットも無い」
「なっ、何ですってぇ~~ッ!!」
「どう見たって、中の下、いや、下の上かなぁ?まぁ、そんな所だろ」
「はぁ~~ッ?!ちょっと、何勝手に言いたい放題言ってんのよッ!!」