How much?!
久しぶりに逢ったというのに、離れていた時間が嘘のよう。
とても自然に会話が成り立っている。
もしかして、彼がそうなるように仕向けているのかもしれないが、私的にはとても有難い。
だって、視線を合わせる事すら動揺してしまいそうだから。
どれ程の時間がたったのかさえ解らないほど、目の前に広がる絶景に見惚れていると。
「なぁ、………小町」
「ッ?!……………はい」
ゆっくりと顔を彼の方に向けると、彼は真っ直ぐ私の瞳を捉えて……。
「アイツの事が………好きになったのか?」
「へっ?……アイツって?」
「…………相場」
「………気になりますか?」
「気にならないと言えば、嘘になるな」
「っ……」
「アイツは…………お前の事が好きそうだけど」
「そう………ですね。彼からは先日『彼女になって』と、告白されました」
「え?」
私の言葉に少し動揺している麻生さん。
その反応にほんの少し安堵した。
自惚れかもしれないけど、まだ私の事を想ってくれていると思っていいですよね?
複雑な想いを確かめるように、彼の方に身体を向けた。
そして―――――。
「私が、………何て答えたか、気になりますか?」
私は彼を試すような言い方で聞き返した。
だって、恐らく、今を逃したら後は無いと思うから。
言いたい事を我慢して後悔するより、言うだけ言って後悔した方がいい。
私は彼を真っ直ぐ見据えて、彼の言葉をじっと待った。
すると、