How much?!
完全に硬直している私の頭にポンと手を乗せ、
「金で小町を縛りつけようとは思わないが、お前の周りにいる奴らに牽制する意味で、俺がしたくてした事だから気にするな。ってか、もう少し出しても良かったが、あまり大きいのだと仕事がし辛いだろ」
「………」
ダメだ。
完全に脳がおかしくなってる。
何、この人。
頭は大丈夫?
たかが指輪に何百万も注ぎ込んで……。
しかも、その持ち主が私なんだから、二の句が継げない。
だけど、何だろう。
どうしようもなく嬉し過ぎるのは……。
こんなにも想われて、嫌になる筈がない。
傷が付きそうだから仕事中は外そうかと思ったけど、彼は仕事中も身に着けてて欲しいらしい。
彼がそれを望むなら、私は素直にそれに従う。
だって、それって………愛されてるって事だよね?
「麻生さん。………ありがとうございます」
「…………大和だから」
「へ?」
「や・ま・と。麻生さんじゃなくて、大和………な?」
「あっ………はい////大和さん」
「さんは要らないんだけど、まっ、いっか」
溜息まじりに髪を掻き乱す彼。
解ってる。
下の名前で呼んで欲しいくらい。
だって、私だって同じだもん。
だけど、今はまだ……直ぐには変えられないよ。
“麻生さん”以外に呼んで来なかったんだから。
もう少しだけ待っててね?
きっと、そう遠くないうちに“大和”って呼ぶから。
今はこれで我慢してね?
私は勇気を出して、彼の胸に飛び込んだ。
「大好きっ!!」
「ちょっ……////」