How much?!
1/2+α=∞


会社の事務所入り口で。


「早坂さんっ、相手の人ってどんな人なんですか?」

「……プライベートな事だから」

「私達気になって、仕事に集中出来ません!!ねぇ~?」

「写メとか無いんですか~?」

「どこかの御曹司とかじゃ、無いですよねぇ?」


ランチから戻った私を待ってましたと言わんばかりに取り囲む職場の女の子達。

麻生さんから正式にプロポーズされ、恋人期間をショートカットして婚約者の座を手に入れた私。

彼から貰った指輪のお陰で、職場では私の相手が一体誰なのか?と毎日質問攻めに遭っていた。


「はぁ……。私が誰と結婚しようと、あなた達には関係ないと思うけど?」

「そうやって隠そうとする所が、余計に怪しいんですよっ!」

「えっ?」


彼女らが興味本位で聞きたいのは解るけど、まさか、そんな風に思われていただなんて。

彼女達の視線が私の左手薬指に釘付けになっている。


「ちょっと言いがかりもいいとこよっ!先輩のプライベートまで口出しする権利がどこにあるのよ!!」

「……志帆ちゃん」

「誰が誰と付き合おうと、いつ結婚しようと、アンタ達には関係ないでしょ?!」

「っ……!」


耐え兼ねた志帆ちゃんが、彼女達にピシャリと言い放つ。

険悪なムードが漂う中。


「おい、……喧嘩か?」

「………ッ?!」


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