How much?!


4月の第4土曜日、午前11時。

私はダークグレーのシンプルなワンピースに薄手のカーディガンを羽織って、彼が迎えに来るのを待っている。



今日は彼のご両親の27回忌法要の日。


叔母様ご夫妻と碧さんご夫妻、そして、私達という厳かな供養。

本当は父方のお祖父様も一緒にご供養される予定だったが、先週から少し体調を崩し気味で、後日叔母様ご夫妻とお墓参りをする事となった。


27回忌となれば、当然かもしれない。

13回忌くらい迄で、供養しなくなる地域もあるくらいだ。


ご供養はお墓参りをして、その後食事をするだけ。

事前に叔母様ご夫妻が菩提寺に行かれ、読経等を済まされているとの事で、私達は本当にお墓参りをするだけ。


それでも、私は緊張していた。

だって、彼のご両親に挨拶するのはこれが初めてだから。


簡易的なものだから、喪服でなくていいと彼が言う。

だけどやっぱり、ご両親にご挨拶するのにラフな格好はどうかと思い、シンプルなワンピースにした。


5分程すると、インターホンが鳴った。

玄関ドアを開けると、カジュアルな格好の彼が現れた。


「おはよう」

「おはよ。……ホントに畏まらなくていいのに」

「いいのっ!さぁ、行きましょう!!」


私の服装を見て苦笑いの彼。

だけど、これは……私のけじめだから。




彼の車に乗り込んで、叔母様のご自宅へと車を走らせた。


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