How much?!


が、しかし!!

さすがに三十路寸前の私が、女子大生が穿くような短いスカートを生脚で穿くのはかなりの抵抗がある。

そもそもこのスカート、就職祝いに姉が買ってくれたものだ。

クローゼットの奥の方に仕舞い込んだ筈なのに、何故か彼女に発見されてしまった。


寒風吹き荒ぶ中、膝上20㎝のスカートを生脚で穿くだなんて……。

罰ゲームか、拷問か………それ以外の何ものでもない。


大通りを歩いていると、通り過ぎる人の視線を嫌でも感じる。


「やっぱり、これ………犯罪じゃない?視線が痛いんだけど……」

「だから~!!先輩の脚は細くて綺麗で見惚れてるんですよ?!先輩は堂々と出してればいいんです!」

「うっ………」


急に志帆ちゃんに背中をバンッと叩かれた。


「それに!!」


彼女は足をピタッと止め、ネイルがバッチリ施された綺麗な指先を揺らしながら、私を手招きした。


「………何?」


そんな彼女に耳を傾けるように首を傾げると……。


「世の視線って、男は女の足首を、女は男の鼻を見てるんですよ?知ってました~?」

「へっ?…………何それ」


志帆ちゃんは不敵に笑いながら、再び歩き始めた。

ちょっと、気になるんだけど……?

何なに?

それって、どういう事??


小走り気味に彼女に追いつくと、彼女は楽しそうに小声で話し始めた。


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