How much?!
「んッ?!」
私の身体が着地した場所は彼の身体の真上に。
彼が座る脚の間に手繰り寄せられた私は、彼に覆い被さるような体勢になっていた。
服越しでも分かる彼のボティライン。
私の手は彼の胸に着いていて、彼の胸板がしっかりしているのが嫌というほど感じられる。
微かに鼻腔を擽る柑橘の香りのせいで、否応なしに胸が暴れ出した。
思わず視線を逸らそうとすると、後ろ首に回された彼の手。
私の行動を予測したかのようにグッと手繰り寄せる彼。
お陰で2人の距離が更に縮まった。
しかも、もう片方の彼の腕は私の腰を抱いていて、私の身体は何処にも逃げ場が無さそうだ。
「なぁ、小町」
「ッ!!」
今にも鼻先が触れそうな距離。
彼の吐息がかかるほど、魔の手がすぐそこまで迫っている。
しかも、甘美な声音で名前を呼ばれて、不本意ながらも身体が正直に反応を示した。
恐らく、今私は、物凄く顔が赤くなっているに違いない。
彼の視線を感じて、顔が熱を帯びているのが分かるほど……。
私が視線を泳がせていると、後ろ首を支える手に力が入る。
ますます距離が縮まり、とうとう鼻先が触れてしまった。
「ッ?!!」
無意識に肩がビクッと震え、彼の視線に引き寄せられるように視線が絡まる。
辛うじて唇が触れない距離を保ったまま………。