How much?!
けれど、なけなしの私のプライドがそれを拒み、私は感覚の無い足でゆっくりと立ち上がる。
けれども、完全に腰が砕けきっている私の身体はいとも簡単にふらついて……。
「んッ!」
不覚にも彼に抱き留められてしまった。
「平気か?足、………捻挫してないよな?」
「っ………」
心配そうに足下に視線を向けている彼。
その瞳は挑発している時の彼とは違った。
不本意ながらも、またもや胸が反応してしまう。
彼に支えられながら少しずつ体勢を整えると、彼は真顔で再び謝罪を口にした。
「悪かったな。怪我をさせたかった訳じゃないから」
それだけ口にして、私を支えながらゆっくりと玄関へと歩き出した。
駐車場までの道のりが物凄く遠く感じて、無意識に溜息が零れ出すと、肩を支える腕に力が入った。
そんな彼の顔を時折盗み見てみるものの、あれ以来、ずっと真顔のままだ。
もしかしたら、少し反省してるのかな?なんて思えてくる。
まさか………ね?
駐車場に辿り着くと、営業車ではない車に乗せられてしまった。
そして、何やら営業車から荷物を手にして戻って来た彼は……。
「やるよ」
「え?」
「メシ、まだだろ」
「………あっ」
そう言われてみれば、そうみたい。
普段なら、とっくに済んでいる時間帯。
現場手伝いに夢中ですっかり忘れていた。
膝の上に置かれたのは………スーリールで販売されている助六寿司だった。