How much?!


翌日の昼過ぎ。

のんびりとリビングのソファで雑誌を眺めていると、志帆ちゃんから電話がかかって来た。


「もしもし?」

「先輩?今、大丈夫ですか~?」

「うん、平気だけど……どうしたの?」

「どうしたの?じゃなくて、どうだったんですか~?」

「どうって、何が?」


志帆ちゃんが聞きたい事は解ってる。

昨日、ランチの時間をほぼ潰して相談したんだから、何を意味しているのかという事くらい。


「もしかして、行かなかったんですか?」

「………ん」

「何で?………もしかして、昼のあれが原因で?」

「う~ん、それもあるけど、もっと根本的な事かな……」



私は歯切れの悪い言葉で答えた。

電話では伝え辛い。


そんな私を察して、志帆ちゃんが口にした。


「今から行きます!それじゃ」

「えっ?」


彼女はそれだけ言うと、電話を切ってしまった。

いつもながらに感心してしまう。

彼女の行動力に。



私は仕事の時は素早い判断を下せるけど、普段の生活では全然ダメ。

自分に甘えが出てしまい、優柔不断になってしまう。

それに比べ、彼女はいつだって自分に正直で行動もスマート。


本当に羨ましくて仕方ない。





30分程して――――。


「お邪魔します!」

「ちょっ、………何で、怒ってんの?」

「そりゃあ、怒りますよ!!ホント先輩って、手が焼けるんだから」


何となく予想はしてたけど、少しプリプリした志帆ちゃんのご登場。


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