How much?!


ここは、うちの会社が新しく外食産業部門を立ち上げ、その第1号店としてオープンする予定の店舗。

和食処『一休』

外観は勿論、店舗内も数寄屋造りで統一していて、今風のカフェが立ち並ぶ街中に一際目立つ印象を与えている。


プレオープンの今日は、近隣のショップオーナーや取引先の業者さんを招いての感謝祭を兼ねて振る舞われる事になっている。

私達は賑やかな店内を最奥へと歩み進めた。


「お疲れ様で~す」

「おっ、漸く来たか~」


軽くお辞儀をしながら大広間に足を踏み入れると、既に出来上がっている上司が出迎えてくれた。


「ヨッ!!お局様のおな~り~~!!」


何処からともなく男性社員の声が響く。

私は顔を引き攣らせながら軽く会釈し、空いてる席を探していると。


「小町先輩!!ここに座って下さい」

「えっ?ラッキー!端っこが空いてるなんてツイテるじゃん」


着ていたコートを脱ぎ、綺麗に折りたたむと。


「幹事の子に言って、場所を確保して貰っておいたんですよ?」

「え?」

「どうせ先輩、直ぐに帰りたがると思って」

「キャアァー!志帆ちゃんナイス!さすが私のナイト!」


思わず彼女に抱きついた。

やっぱり、志帆ちゃんは最高!!


「ハイハイ、先輩何飲みます~?」

「あっ、私ビール」

「じゃあ、私もビールにしようっと」



宴会場の一番端に2人で並んで腰を下ろした。

そして、志帆ちゃんにビールを注いで貰い、お互いに『お疲れ~』と乾杯をした。


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