How much?!
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「おいっ、中里~。お前、ケツから尻尾が生えて来てんぞ!」
「えっ?」
「ギャハハハハッ、マジウケる~!色気もへったくれもねぇな、お前。恥ずかしいから何とかしろよ、それ!」
ミーティングルームのドア前で、何やら女子社員が男子社員にからかわれているようだ。
部屋の奥にいる俺にまで聞こえてくるほどの声の大きさ。
明らかにワザと大声で話しているように感じた。
その会話を聞いた俺は一瞬視線をドアの方へ向けたが、敢えて行動に移す事も無く、再びファイルへと視線を落とした、次の瞬間―――――。
「恥ずかしいのはアンタの方よッ!!同僚の女の子が困ってる姿を嘲笑するなんて、最低の男がする事だよ!モテる男はねぇ、自分が着てる上着をそっと腰に巻いてあげるものよっ!まぁ、アンタじゃ一生かかっても無理だろうけどね?!」
「ハッ、何だよッ!言いたいだけ言いやがって!」
「アンタみたいな男に気を遣う女の気が知れないねっ!目障りだから、とっとと失せな!仕事をサボってるって、部長にチクるよ?」
「なっ?!………チッ、クソっ!」
ドンッ!!
男はドアを一蹴りして去って行ったようだ。
すっかりドアの向こう側に気を取られていた俺は、再び手元に視線を落とすと。
――――カチャッ