How much?!
「もしかすると……ですよ?」
「ん?」
「麻生さんって、先輩の事が好きなんじゃないですか?」
「はっ?…………いや、それは無いでしょ!!」
「そうでしょうか?無くはないと思いますよ?」
「………どうしてそう思うの?」
「う~ん。何か、私と似てるんですよね~」
「え?似てるって、どこが?」
「そうですね~。好きだから近づきたい。近づいたから触れてみたい。触れてしまったら………その先を求めてしまう。そんな心境がそっくりですよ~」
「……………そうには思えないんだけど」
志帆ちゃんは考え込みながら珈琲を口にする。
そんな彼女を眺め、彼が取った行動を思い返してみた。
彼が…………私……を?
「そもそも、先輩におかしな勝負を吹っかけて来たのだって、からかうにしたら度が過ぎませんか?」
「…………ん」
「好きだから、苛めちゃうみたいな男の子、居るじゃないですかぁ」
「好きだから……苛める?」
「だから、先輩にキスしたけど泣かせるつもりは無かったし、触れたいと思っても、無理やり抱こうとは思ってなかったから、素直に『ごめん』が言えなくて、毒を吐いた……とか?」
「……そうなのかなぁ」
「それに、夜景を見せてくれた時は優しかったんですよね?」
「…………うん」
「だとすると、麻生さんの行動って、好きな気持ちの裏返しじゃないでしょうか?」
「…………」