Not to memories
帰ろうとしたら、腕を引っ張られたので、
振り返ると佐藤くんだった。

「あっごめん引っ張って。
今日用事ないなら、
一緒にラーメンと初詣行こう。
それにさ、ちょっとぐらい俺にも
時間ちょうだいよ

ねっ?」

???
うっ。眩しいほどの佐藤くんの笑顔を浴び、
私は断ることができず、
結局三人で大晦日を過ごすことに。

とりあえず、
みんなで塩ラーメンを食べ、
お店もゲーセンもやってないってことで、
またまさとの部屋に戻ってきた。

去年も二人で一緒に年越しを過ごしたらしい。
二人とも親が共働き。
しかも年末年始にも仕事のある所に
お勤めのようで、
家族で年末年始は過ごさないらしい。

そんな人は意外にもお互い二人しかいなくて、
これからも恒例になりそうだと話していた。

そこまで二人が仲いいっていうのも
不思議な感じがする。

「ねぇ。俺もゆなって呼んでい?」

「え?いいよ。
別に許可取らなくても
呼んでくれたらいいのに」

「え?そーなの?早く呼んでればよかった。
でも、いざ呼ぶとなると照れるな。。。」

「えー佐藤くんって男友達だけじゃなくて、
女の子にも友達多いじゃん。
下の名前で呼ぶなんて多いんじゃないの?」

「あー。でもそれって最初から呼んでるから。
意識するとさぁー。」

「本当友達多くて羨ましいよ。」

「佐藤は存在感あるよな」

「褒めてる?」

うんうん。

「そういえば、矢野くんと仲良くなれた?」

「え?あー。」
一瞬なんの話かわからなかったまさとは、
はっと思い出したように話し出した。。
「あ??それはな、あれだな、
佐藤は悪くない。

矢野のせいだから。
ってもしかしてお前気にしてたのかよ。」

「あー。なんかな。」

「ゆな知ってたっけ?矢野を振ったやつ」

「あーまどかちゃん?」
さすがにあんなに叫ばれたら覚えてる。。。
お人形さんみたいな子。かわいいよね?

そういえば佐藤くんのクラスだよね?」

「まどかちゃん、佐藤に振られてんの。
俺も後から知ったんだけど、
そんなんでお前らがギクシャクしてるとはな」

「え?えーーー。佐藤くん!
まどかちゃんに告られたの???

すごーい!

っていうか振るなんてありえないでしょ。

何してんの!!!」


「えっ?おれ??」

「そうだよ!!なんで振ってんの!
あんな可愛い子振るなんてありえないから

。。。

あっ彼女いるとか?」


「いないけど?俺今までいないし。
まさともだよな?」

まさとがコクリと頷いた。

「えっじゃあーなに?
振る理由がみあたらないんだけどー」

「えっ。だって別に好きな人いたから。」

「えーーーー。
あっでも今はいないなら間に合うんじゃ!」

「今もまだすきだしー。」

「きゃー。もう長いの?好きになって」

「うん。高校一年からだし、そろそろ2年経つな」

「え、まじか?知らなかった。そんな長くかよ」

「あーだってお前に聞かれたことねぇし」

「早く告ったらいいのにー。
佐藤くんで落ちない子の方が少ないよ
めちゃくちゃ学校でモテてるんだし」

「言えたらいいけどな。
好きすぎると俺ダメになるみたいで。
でも俺なりに頑張ってんだけどなぁ。」

「すごいなー恋かぁ。いいなー。
佐藤くんがんばってね!想いはきっと
通じるよ」
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