Not to memories
いろんな人を傷つけた。
男は搾り取れるだけ金を搾り取って捨てた。
気にいらない奴は蹴り飛ばした。
精神的に追い詰めて、
死にかけた人もいた。

アカさんよりずっとずっと最低で、
私は落ちるところまで落ちてた。

そんな自分を少しだけ認めたい気持ちがあったのかもしれない。
誰だって人として最低なことをしてしまうことはある。そんな自分を正当化したり、仕方ないと諦めてしまってた自分。
少しだけ似ている彼を少しだけ助けてあげたいと思ったのかもしれない。


アカさんはそのあと、補習授業には戻って来なかった。
やりすぎたかな。。。

補習授業が終わり、矢野くんと中村くんの仲の良さにびっくりした。

なんだか女の子が二人いるみたい。。。
きゃっきゃっしている。
共鳴したようで、
帰り道、二人でドーナツを
今度食べに行こうと言っていた。
中村くんも甘党男子とは。。。

「ごめん。あのさ、さっき大丈夫だった?」
中村くんは、やっぱり話さなきゃと思ったのか
急に話が切り替えられ、アカさんの話になった。

「うん。アカさん来なくなっちゃったらごめん。ちょっと言いすぎたかも。明日補習授業前にクラスに行ってみるよ」

「僕のせいだよね。ほんとごめん。」

「だからー。違うからー。これは私とあいつの問題!

あと、ちゃんと中村くんには次の中間で
追試受けないようにしてあげるから。

なんの科目落としたの?さすがにそんなに勉強してたら一つぐらいでしょ?」

「数学だけ。」

「じゃっ大丈夫。中間テスト二日前に勉強しよ。それまでは他の科目ちょんと勉強してれば
どうにかなるから。」

「え?絶対むりだよ。ずっと落としてきたんだよ。」

「大丈夫。他が大丈夫ってことは、暗記モノ得意なんでしょ?うちの数学のテストなんて
暗記すればどうにかなるから」

「えっほんと?じゃあ。信じてみる。ありがとう飯田さん。」

「おれもまぜてよーー」

「もちろん矢野くんも!」

「あっおれね、英語もだからたのむーー」

「はいはい」
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