Not to memories
次の日

「佐藤くん」

「あっ、ゆな!今日急に誘ってごめんね。」

「ううん。暇だったしー」

「今日映画見に行こうと思ってるんだけど、
ほら前にゆなが言ってたこの映画!
今日公開だからさー!」

「わっ今日だったんだー。
これ見たかったんだよーー!
じゃあチケット買いに行こうー」

「じゃん!もうチケット買ってあるから。
14時から始まるからそれまでにお昼食べよ」

前に本を読んだことがあって、映画化されるとテレビでやってたから見に行きたいって思ってたんだ。
それをたまたま佐藤くんもって話してて
意気投合して、じゃあ今度いこって約束してたんだっけ。

覚えててくれてるなんて、佐藤くんって
本当にマメだなー。
しかもチケット買っといてくれるなんて、
さすが。

「ゆな何食べたい?」

「うーん。このまえオムライスだったから
それ以外がいいなー」

「じゃ、ハンバーグは?ここうまいよ。
肉汁はんぱねーって感じ」

「そういうの大好物!ここにしよ」

そして私たちはお店に入って、
私はチーズハンバーグを注文。
鉄板の上で焼かれたパンバーグ、
ナイフで切ると漏れてくる肉汁。
味も繊細で。
うまーい!
「ゆな。もう死んでもいいってぐらい
幸せそうな顔してるけど、
そんなに美味しかった??」

「うん。おいしすぎー!しあわせー」

「そこまで幸せそうだと
こっちまで幸せになれるよ。。。

そういえばさ、
ゆな最近、今年入ってから学校で
雰囲気変わったから、びっくりしたんだけど。。」

「髪切ったからかなー?イメチェン成功?」

「それだけじゃなあと思うんだよな。見た目だけじゃなくて雰囲気が変わった!
全然嬉しいんだけど、
本当はこっちのゆなのほうがゆなっぽいしさ。
でも最近ゆなの人気でてきちゃったから。。
心配で。。。。

俺的にちょっとな。。」


「えっ?人気って誰も私が髪切ったことなんて気づいてないでしょ?」


「気付いてないのはゆなだって。
廊下とか購買とか歩いてるゆな見て、男たちがかわいいって噂してんの知らない?
しかもさ、あの赤髪と付き合ってるって、噂まで流れてるし?」


「え?知らなかった。」

私が噂されてるなんて。。。
アカさんに申し訳なさすぎる。。

「まさか付き合ってるの??」

「え?あり得ないでしょ!ないない!でもなんでそんなことが噂に。。。噂って怖いねー。気をつけないと。あっ私たちも危ないね。。」

「俺たち??噂になってもいいけどね」

「何言ってんのー。好きな子に聞かれちゃったら大変じゃん!

って大丈夫か。
佐藤くん女の子の友達も多いし、そんな風に見られるわけないね。
私だし。
あはは!」

。。。。
あれ?なんかひどいこと言ったのかな。。
いつもすぐに何かしら返答してくれるのに
黙ってしまった。。

「どうしたの?」

「あっいや。。。。まっ焦らずだな。頑張るよ」

何をだろう。。。片思いをかな?

「がんばれーー!応援する!

あっそろそろ映画館むかおっ!」
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