Not to memories
あーだこーだ考えてたら、
あっという間に午前の授業が終わり、
お昼休みになってしまった。
お昼休みに購買に行った帰り、
佐藤くんのクラスを見ると、
佐藤くん待ちの女の子がたくさんいる。。お昼を食べずに待ちぼうけか。
うちのクラスの周りにもたくさんの人。。

。。
この分じゃ放課後も、まさとも佐藤くんも
捕まりそうにないし、それにやっぱり渡しても困るだけだし。。。

チーズケーキは私が食べよう!

うんうん。

もともとあげるつもりじゃなかったし!

そだそだ!

食べられないよりか私が食べたほうが、
チーズケーキも嬉しいはず。

そして、お昼休み、午後の授業もあっという間に、終わり放課後に。。。

「小林さん帰ろー」

「う、うん。」
下駄箱にまで
まさと待ちっぽい女子たちの群れが。。。


「こりゃすごいね。。。
こんなに女子いた?ってぐらい。。」

「そうだね。ちょっとかき分けていくしか。。
うっ。。いたい。ふー。。ようやく外でれたよ。。
でも飯田さんよかったの?渡さなくて。」

「あーこれ?
いいの。ついでに作っただけだし。
もともと、
小林さんの分だけ作る予定だったんだ。
いつものお礼をこめて。
あんなに喜んでくれて、
逆に嬉しかったよ。ありがとー」

「何言ってるの!!すっごく嬉しい!!
ほんとありがと」

そう。それだけで私の今日は十分すぎるくらい
嬉しい気持ちでいっぱいなんだ!

「あっ小林さん!また明日!
私今日こっちに用事あるからー!
じゃあねー」

「うんまた明日ー」

いつもの高台でチーズケーキたべよっと。
ちょっと寒いかもなー。
あったかい飲み物買っていこっと。

「ゆな!」

コンビ二に入ろうとしたら、
声をかけられた気がして、
後ろを振り向いたが、
誰もいない。。

気のせい?

キョロキョロしてみたけどいない。

??
コンビニに入ろうとしたら

「ゆなってば!」

え?
後ろを振り向くと、
佐藤くんが走ってこっちに向かってきた。。
カバンに入りきらなかったチョコ達は、
大きな紙袋に入れられている。
いくつ貰ったのかな。。。
見ただけで鼻血でそう。。

「あっ。。。お昼食べれた?」

「食べらんなかった。。。助けてくれよ」

「女の子に埋もれてたね。。。助け出すにも。ごめん」

「。。。」
佐藤くんは黙り込み、じっと私を睨んだ。。
げっ!!なんか怒ってるし。。

「ごめんってば!!そんな怒んないでよ!
それにしても人気者は大変だよね。。
羨ましいけど。。うーん。。。
ほんと今日はお疲れ様!それじゃ!また明日!」

「冷た!」

「えっ?ごめん。。なんかまずかった?」

「ゆなは?誰かにあげたの?」

「うん。すっごく喜んでくれた!
徹夜した甲斐がありましたー!」

「だれに?」

「小林さん!」

「学級委員?」

「うん。」

「なんだぁーびっくりしたじゃんかー。じゃあそれは?」
私が持ってる紙袋を指差してる。。
明らかに怪しいよね。。

「え?これは。。。秘密!」

「そっか。やっぱりあげる相手居るんだ。。」

「。。。これはいいの!!自分用だから!
ねぇそれより。。。
佐藤くんそれって全部チョコレートだよね?
全部食べきれないんじゃ??
鼻血でちゃうし。それどうするの?」

「家族にあげる。俺食べらんないし。」

「なんで?」

「相手の気持ち考えるとやっぱ食べらんない」

「そっか。そうだよね。。。
じゃあ。ごめん私用事あるからまたねー」

「ゆな!ねぇ。そのゆなのチョコレートって手作り?」

「うん。そうだけど?あっでもチョコじゃないよ?チーズケーキ」

「それ俺に頂戴?俺ゆなの欲しいんだけど」

「え?あげられるものじゃないから!
これはそんなんじゃないの!じゃあね!」

私は走ってその場から逃げた。

何してんだろ私。。
佐藤くんが欲しいって言ってるなら、あげればよかったのに。。

なんだろ。。この感じ。。

。。。

まさとは女の子からもらったチョコどうするんだろう。。。やっぱり食べれないから家族にあげちゃうのかな。。。
なんかな。。。きっと女子たちは徹夜して作ったんだろうし、佐藤くんにあげるために、時間かけて並んで、ようやくあげられたんだろうし。。それなのに結局家族の胃袋に入っていくなんて。。切ない。嫌な感じだな。。

なんか。。このチーズケーキのせいで、
なんかムカムカする!もう早く食べちゃおっと!
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