Not to memories
ミス
左腕のブレスレット。
まさとにもらってから、
ずっとつけている。

わからないけど、
赤くてピンクいこの石を眺めると、
今日も頑張ろうって思えるし、
勇気までもらえている。
なんかお守りみたい。

小さなまさとがいつもそばにいるみたいな。

なんだかあったかい気持ちになる。

よし!

少しずつ寒さが和らいできた春休み。
私は朝早く昔働いていた
キャバクラに向かった。。

ここになら施設のことを知っている人が
1人ぐらいいるんじゃないかと思ったのだ。

この時間はオーナーしかいないはず。。

ガチャ

「。。。ゆいさん??どーしました?こんな時間に。もしかしてまた働きたくなりましたか?」

「ごめんなさい違くて。。
あそこの児童養護施設に入ってた子とかっ
知らないですよね?」

「そうですか。。残念です。働くなら大歓迎でしたのに。
児童養護施設ですか?一人しっていますが。。」

「知ってるんですか??」

「教える代わりに今日ヘルプきてくださるなら教えてあげてもいいですが?」

「。。。わかりました。。」

「。。。すみません冗談です。
。。
今度は探偵にでもなられましたか?
まぁいいでしょう。。
施設で働いてた方が以前お客さまとして来店されましたが。。」


「誰?私付いたことある??」

「ゆいさんが来る前だったと思いますので。。
もう最近はこなくなりましたね。。」

「どんな人?」

「ずいぶんと羽振りのいい方でしたね。
毎週何回かお一人でいらっしゃって、
お金ばらまいたこともありました。。
怪しいので、りんたんさんに
何してるやつか聞き出しといてくださいと。。

そしたら
施設だって言ってたらしく。。
ただ、施設で働く方といえば公務員でしょうし。。あんなに羽振りいいなんて、おかしいと思っていたら半年ぐらいで来なくなりましたね」

「りんたんは?」

「辞めました。お客さまとトラブってしまって。。あっゆいさんもご存知でしょう?あれで。。
後のことは、。
すみませんがお店閉めますね」


「あっあのありがとうございました。」

「ゆいさん。あなた変わられましたね。
生きてるか死んでるかそんな子でしたのに。
前より
少しは人間らしく生きているようで安心しました。。」

高校生をキャバクラで働かせること。
厳しくなった風営法の中、私を雇うことは
リスクだったはずだ。

もしかしたら、
この人は私を放って
おけなかったのかもしれない。

知らない間に
キャバクラというものに属したことで
守られていたのかもしれない。。。

< 204 / 358 >

この作品をシェア

pagetop